陶器に歴史あり 生産地やブランド

陶器の伝統 やきもの

キレイな陶器

やきものの種類には陶器と磁器があり、磁器が「石もの」と呼ばれるのに対して陶器は「土もの」と呼ばれています。陶器は、陶土と呼ばれる粘土を原材料に用いており、作陶ではひび割れを防ぐためにガラスの材料となる珪石や長石を混ぜて使用されます。

日本においては磁器を含め31種類が国の伝統的工芸品に指定されており、中でも六古窯と称される窯は平安初期から安土桃山時代となる中世から約900年以上の歴史があり、現在においても生産が行われています。六古窯は大陸から伝わった技法を用いた近世からの窯とは区別されており、まず、滋賀県甲賀市信楽町を産地とする信楽焼があります。もともとは離宮の屋根瓦を焼くことから始まったと伝えられており、特徴として独特の肌の粗さを持ちます。次に、岡山県備前市伊部を産地とする備前焼があり、釉薬を用いない焼き締めによる制作方法や窯変によって生み出される模様に特徴があります。

3つ目には兵庫県篠山市今田町立杭を産地とする丹波焼があり、福井県丹生郡越前町を産地とする越前焼、愛知県瀬戸市を産地とする瀬戸焼も六古窯の1つです。6つ目には常滑焼があります。常滑焼は愛知県常滑市を産地とし、六古窯の中では最も古く最大規模を誇る窯です。特徴の1つに、原料に含まれている鉄分を赤く発色される技法が用いられていることがあり、酸化鉄を多く含むことでお茶の渋みがほどよく取れまろやかな味になるとされています。